終了しました。

この記事の投稿者: HCメンバー

おかげさまで、演奏会が無事に終わりました。ご来場いただいた方も、影ながらの方も、みなさまの応援があって、私たちはこの大曲をやり遂げました。ありがとうございました!

さて、唐突ですが、今回は少し私の話をしてしまっても宜しいでしょうか。(えーっ?!という方はご遠慮なく!)

ハイドン「天地創造」は、私が子供の頃からいつか全曲を全パートで歌ってみたいと憧れていた作品でした。だから、この作品を演奏する機会が現実に目の前にやって来たときは、信じられない気持ちでした。でも、演奏会が大団円で終演した今、本当のところ、そこに至るまでには、とても一筋縄ではいかないことがたくさんありました。まさに、天地創造の後、りんごの味を知ってしまったアダムとイヴの子孫にふさわしく、といったところでしょうか。

まず、練習が始まったのは去年8月末。けれども、諸事情で実際に練習に費やせる時間はかなり限られました。いえ、むしろ、「時間は作るもの」と頭ではわかっていても、時間のみならず、体力・気力が圧倒的に足りない。ああ、もどかしい!好きなことだからこそ、少しでもやり始めれば、もっともっと突き詰めたくなるのに。そんな思いもありました。
また、今回の練習期間、個人的に、大切な人たちを何人も失いました。この世での命の時間を終えて、暫しのさよならになった人たち。そうではなくて、色々な事情でお別れがやってきた人たち。ほんの少し前までは、一緒にいる時間が永遠に続くかのように当たり前だったのに。
時には、他にも次々と迫る現実の厳しさに疲れて、大好きなはずのこの作品も、聴く気さえ起こらない日もあったのでした。

でも、きっと、実は、一緒に本番を迎えた仲間たちにも、会場で応援してくださった皆さまにも、また、物理的にはご一緒出来なかった皆さまにも、それぞれに色々なことがあり、時には難しい時もあったのでしょう。それでも、あのひと時、音楽を介在させることで、心をひとつに集わせたのだなあと、そう思うと、音楽の力とともに、出会いの貴重さ・今一緒にいられることの貴重さが改めて心に沁みます。

天地創造のエピソードによれば、天地は6日で造られたということですが、聖書の別の箇所には、「神のもとでは、一日は千年のようで、千年は一日のよう」という記述もあります。私の勝手な解釈ですが、人と人とが心を集わせれば、平凡な一日にも千年分かのような喜びがあり、千年続くかのような苦しみもたった一日かのように立ち向かえる、そのようにも理解できるのかなあと思います。

また来年のこの機会に、皆様にお会いできる日まで、それぞれの場所で過ごしながらも、時には今回の演奏会の思い出に浸りつつ、時にはそれぞれの場所に集う人たちとお互いに励まし合いつつ、過ごしていけたら素敵ですね。
また、今では東日本大震災に留まらなくなってしまった災害被災地でも、まだ道半ばにいらっしゃる皆様に、少しでも希望が増えていきますように願いつつ。

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